ネット公開される「部落」「部落民」~部落差別は、いま②~
①ネット版「部落地名総鑑」の公開
現在、ネット上では鳥取ループ・示現舎によって「部落地名総鑑」が公開され、「同和地区WIKI」のコピーサイト、類似サイトが無数に拡散され、電子図書化し販売されています。
1936年に政府の外郭団体である中央融和事業協会が作成した『全国部落調査』をもとに、全国5300の被差別部落の名称、戸数、職業等がネット上に公開。「同和地区特定ガイド」や便利ツールなども紹介しています。
◆部落出身者の名字リスト
部落出身者の人名リスト(「同和地区と関連する人名一覧」「人物一覧」)もネット上に公開。そこには全国の市町村別に、その地域に多い部落出身者の名字を1万人以上が公開。さらに、解放同盟や同和会などの部落解放運動団体の役員等の名前・住所・電話番号等、1000人以上の個人情報が本人同意なく、公開されています。
◆同和地区マップ
さらに、「同和地区マップ」としてGoogleマップ・ストリートビューを利用し、全国の同和地区の地図が作成され、マッピングされています。「大阪の同和地区」などは地図上に地区指定の線引が記されています。
◆部落の写真や家・表札、墓、子どもの顔が映っている動画まで
鳥取ループは、実際に全国の同和地区を回り、改良住宅や個人宅の表札・車のナンバー、商店などを写真や動画で撮影し、示現舎のサイトで「部落探訪」とシリーズ化し、公開し続けています。
また、子どもたちや青年の顔が映っている動画までもアップされ、地元の保護者たちが削除要請しても、拒否し、ネット上で公開し続けています。
彼らは、「一度公開された情報は、二次利用しても問題ない」と法のグレーゾーンをねらい、NTTの電話帳の情報を二次利用し、身元調査が安易にできるアプリ(サイト)を作りました。
対象者がNTTと契約していれば、検索をかけると住所などの個人がわかります。その住所を「部落地名総鑑」と照合すると、部落出身者かどうか、分かる仕組みを作り上げています。
②鳥取ループ・示現舎とは?
「鳥取ループ」とはブログ名で、「示現舎」は出版社名です。宮部龍彦と三品純の2名が中心です。宮部は自身で、鳥取市内の同和地区の近隣の出身で育ったとのこと。三品純は法学部出身のライターで、主に解放同盟批判を展開した記事を書いています。
彼らの行動の根底には、部落解放同盟や同和行政に対する強い反発があります。
「行政・司法の取り扱いは平等でなく、むしろ同和に対してだけ異常な扱いをしている」(7/5 記者会見・配布資料)
「なぜ、同和地区の場所を晒すのか?・・・『同和はタブー』だと思い込んでいる人をおちょくるためです」(「鳥取ループ」HP)
と書いています。
また、「『全国部落調査』がインターネットで拡散され、回収不能になることは、被告宮部が望むところである。これが『ふと湧いてでた“いたずら心”』などと思うのは、あまりにも甘い考えである」(8月3日、東京地裁準備書面)として、確信犯として、同和地区の所在地情報を次々とネット上に公開してきました。
③10年前から部落暴き、どんどんエスカレート!
鳥取ループは10年以上前から、同和地区の所在地情報を行政に開示請求を求、非開示となると裁判を起こし、同時にネット公開を繰り返してきました。
鳥取市内の同和地区情報の開示請求をおこない、行政がそれを拒むと訴訟を起こす。「鳥取県の同和地区」というサイトを立ち上げて、GoogleMapsに同和地区をマッピングしていきました。
2008年に滋賀県に対しても同和地区を特定しうる施設情報の開示請求を行い、滋賀県が「情報公開条例」にもとづき一部を非公開とする決定をすると、それを不服として大津地裁に提訴。
2015年の最高裁判決で「地区の居住者や出身者等に対する差別意識を増幅して種々の社会的な場面や事柄における差別行為を助長する恐れがあると」と、滋賀県が勝訴しています。
◆解放同盟員の名簿をネット公開、個人宅までマッピング
滋賀県との裁判中に、部落解放同盟滋賀県連が何者かによってハッキングされ、同盟員名簿が流出するという事件が起きました。
流出した同盟員名簿は、住所・氏名・電話・生年月日などの個人情報です。鳥取ループは流出したデータを入手し、800人以上の同盟員の個人情報をネットに公開しました。
さらに同盟員の自宅を一軒づつGoogleMapsにマッピングし、地図上でピンポイントでわかるようマップを作成・ネット公開。
宮部は「自分の犯行ではない」と警察に対しても主張。しかし、後日、ハッキングした本人と面会したことを明らかにしています。
◆鳥取⇒滋賀⇒大阪⇒全国の同和地区をネット公開
2010年には、大阪の同和地区一覧をネットに公開し、法務局から削除要請を受けたことに、不服として訴訟。その後も「滋賀の部落」をネット上に公開。
以降、順次、全国各地の部落や隣保館マップ等を公開していきます。同時に『同和と在日』という雑誌を発刊していきます。
2011年、示現舎という出版社を立ち上げ、『部落ってどこ? 部落民って誰』を出版。
2012年頃から、同和地区一覧に対する削除要請が多くなり、今度は国内法適応外の海外サーバーでサイトを開設します。
また「全国部落解放協議会」というエセ同和団体を立ち上げ、自分たちは、部落差別をなくす運動団体だと名乗り、「自覚のないものは部落地名総鑑を見て自覚し、立ち上がれ」と、全国の同和地区一覧リストをネット公開しました。
このように、全国の部落と部落出身者を暴き、ネット上に晒ものにしてきた。