部落差別は、今 ~TUBAME-JIROのブログ~

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Googleマップにも被差別部落の一覧が晒される

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Googleマップに同和地区が晒される

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GPS機能を利用し全国の被差別部落を特定


西日本新聞の部落問題の連載「衝撃編」第15話(2022.2/9~)では、鳥取ループのこれまでの差別行為と部落出身者たち思いが掲載されてる。

ネットを悪用した部落差別の現実とGoogleをはじめとするプラットフォーマの無法地帯化について考えたい。

 

(1)グーグルマップでマッピング

鳥取ループ」こと宮部龍彦は2005年11月に「同和問題のタブーをおちょくる」として「鳥取ループ」というブログを立ち上げた。その後、行政に対して同和地区の所在地情報を開示請求し、得たい情報が非開示となると裁判を起こし、同時にネット上に公開を繰り返してきた。

最初は2006年に鳥取市内の同和地区情報の開示請求をおこない、行政がそれを拒むと訴訟を起こす。

2009年にはグーグルマップ(MY MAP)を悪用して「鳥取県内の同和地区(被差別部落)」という地図を作成しネット公開した。さらに、このグーグルマップには「大阪市内の同和地区」「滋賀の部落(同和地区)一覧」「Buraku in Shiga(滋賀の部落一覧英語版ページ)」「滋賀県連〇〇支部(計11支部)」など合計15の地図が掲載されていた。

2008年、滋賀県に対しても同和地区を特定しうる施設情報の開示請求を行い、滋賀県が「情報公開条例」にもとづき一部を非公開とする決定をすると、それを不服として大津地裁に提訴した。

滋賀県との裁判で最高裁判決では同和地区情報の開示は「地区の居住者や出身者等に対する差別意識を増幅して種々の社会的な場面や事柄における差別行為を助長する恐れがあると」(2015年)と、滋賀県が勝訴。

滋賀県との裁判中に、部落解放同盟滋賀県連合会の事務所から同盟員名簿がネット流出する事件が起きた。流出した支部の同盟員名簿は、住所・氏名・電話番号・生年月日などの個人情報が書かれていた。

鳥取ループ・宮部龍彦は流出したデータを入手し、800人以上の同盟員の個人情報の一覧をネットに公開した。さらに同盟員の自宅を一軒づつGoogleマップマッピングし、ネット上に晒し者にした。

 

鳥取ループ・宮部龍彦のコメント(「Google」マイマップ】

「この近くに住むと、就職や結婚を断られたりする厳しい現実があるそうです。この付近の出身が分かると商売での取引も敬遠されるとのことです。そんなことがあるわけながないので、皮肉として作った地図です。」(「鳥取県内の同和地区(被差別部落)」)

 「このマップは、実際に部落差別が起こるかどうかを検証するために作成したものであり、最低最悪の形で掲載した。このマップで差別をした人、差別を受けた人は連絡して下さい」(「滋賀県の部落(同和地区)一覧」)

「同和地区を役場に問い合わせた一般市民が部落解放同盟滋賀県愛荘町から糾弾された事件があったので、役場に問い合わせなくても分かるように掲載しました」(「滋賀県の部落(同和地区)一覧」)

 

(2)各地の同和地区を次々とネットに晒す

2010年には大阪の同和地区一覧をネットに公開し、法務局から削除要請を受けたことに、不服として訴訟。その後も「滋賀の部落」をネット上に公開。以降、順次、全国各地の同和地区や隣保館マップ等を公開。同時に『同和と在日』という雑誌を発刊していく。

2011年、示現舎という出版社を立ち上げ、『部落ってどこ? 部落民ってだれ?』を出版。

2012年頃から、同和地区一覧に対する削除要請が多くなったために、今度は、プロバイダ責任制限法が適用されない海外サーバーでサイトを開設。

2012年11月、「全国部落解放協議会」(goo版)を開設。鳥取ループ・宮部龍彦が開設するサイトであると言明し、頻繁に地区名を露出させていく。そこでは、自分たちは、部落差別をなくす運動団体だと名乗り、「自覚のないものは部落地名総鑑を見て自覚し、立ち上がれ」と、全国の同和地区一覧リストをネット上に公開した。

部落差別を助長するとの通報を受けプロバイダー(goo・日本)による削除が行われたが、米国のプロバイダに(FC2版)に切り替えて、引き続き公開し続けた。

その間、鳥取県鳥取市滋賀県、大阪法務局など行政相手に5回にわたり裁判を行い、すべて「差別の助長になる」と指摘されている。それにも関わらず判決を無視し続け、全国の部落と部落出身者を暴き、ネット上に晒し続けてきた。