部落差別は、今 ~TUBAME-JIROのブログ~

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鳥取ループ・示現舎、Mのマンション差押え~決定は妥当!との判決~

「全国部落調査」復刻版出版事件では、現在、鳥取ループ・示現舎のMの自宅マンションは、仮差押えとなっています。

損害賠償請求で支払えない場合のために、マンションを差し押さえているということ。

この決定を不服だと、Mは異議申立をしていたが2017年7月11日、横浜地裁相模原支部は、Mの申立を棄却し、マンションの仮差押えの決定を支持しました。

判決の全文はこちらから

不動産仮差押命令異議申立に対する横浜地裁相模原支部の決定 | 「全国部落調査」復刻版 出版差し止め事件裁判

争点(判決)のポイント


その慰謝料額が200万であることは疎明されている。

◆争点① 原告は、部落出身者であると裁判所は判断。

⇒Mは、原告を「部落出身者」ではないと主張。原告の生い立ちや被差別体験、解放運動の活動経験などを踏まえて判断しても、「部落出身者」だと裁判所は認めました。

 

◆争点②「同和地区WIKI」「人物一覧」の管理者としての責任

⇒Mは「人物一覧」は自分でないと否認しているが、削除や掲載停止を出来たのにしなかったため、管理者責任(賠償責任)はあると判断。

⇒「解放同盟関係人物一覧」は、明らかに「違法なプライバシー侵害」にあたる。

 

◆争点③「権利侵害」「損害額」は妥当だと判断。

差別意識は依然として残っており、「復刻版」や「同和地区WIKI」は、部落出身者かどうかの身元調査を「容易にするもの」である。

彼らの行為によって実際に差別を受けていなくても、「差別的取り扱いを受けるかも知れないという懸念を増大させ、その平穏な生活を脅かすものとなるという点で、その権利利益を侵害するものといえる」と判断。

 

◆争点④「電話帳」に載っているから、掲載してもよいという主張は「失当」

Mは、NTTの電話帳に掲載されている個人情報を掲載しただけだから問題ないという主張をしてきたが、それも「ダメ」だという事があらためて、明確に否定されました。

個人情報は自己情報コントロール権であり、その本人にプライバシー権がある。「本人同意」がないなかで、勝手に住所や電話番号等の情報を二次利用していはいけない。

今回の判決では、あらためて、そのような判断が司法によって下されたという意義あるものでした。

現在、「解放同盟人物一覧」や「ABDARC関係人物一覧」などが、何者かによって作成されている。そこには、示現舎を批判した人たちの個人情報が、情報の二次利用というMと同じ方法を使って、次々と無断で掲載され、晒され続けています。

今回の裁判所の判断を踏まえれば、この犯人も同様に裁かれる必要があると思っている。

 

「さらし差別」という二次被害

彼らの行為に対してNO!と裁判闘争を支援する人たちに対して、プライバシー侵害が次々と行われる「さらし」差別、原告や支援者へのハラスメントが深刻化しています。

今後、これらに対する被害実態の把握と救済、被害者への不安や心理面でのケア等も課題となっています。

 

 

参考:2017年7月11日 横浜地裁相模原支部の決定文の一部(抜粋)


【差別のない社会を築くためには、今後とも差別意識の表れとなるような言動や差別的言動を助長させるような出来事を排除する努力が必要だ。

「全国部落調査」復刻版の公表は、現代において、かつての同和地区の所在地が広く知られることを意味する。それによって特定の個人が同和地区出身者もしくは居住者であるか否かを調査することを著しく容易にする。

かかる機会の提供に伴い、特定の個人について同和地区出身者か否かの
身元調査をしようとする動機付けや実際にそのような行動に出る者が増大し、そのような行動の繰り返しが、同和地区出身者や現に同和地区に居住する者に対するさらなる差別意識の形成、増長、承継につながていく。

仮に、今現在は差り扱いを受けるといった具体的な支障が生じたものでなかったとしても、そのうな危険にさらされたということだけで、著しい苦痛や不安をともなうものであることは十分理解できる。】