部落差別は、今 ~TUBAME-JIROのブログ~

当事者の声、マイノリティの視点、差別の現実を踏まえた情報発信をしています。

東京高裁も「全国部落調査」(復刻版)の出版禁止の決定を支持!

 2017年6月16日、東京高裁は「復刻 全国部落調査」出版禁止の仮処分決定について、横浜地裁判決を支持する決定を下しました。
※昨年4月に示現舎(川崎市)が、「部落地名総鑑の原点」と題した本(全国の被差別部落の所在地が書かれた一覧リスト「全国部落調査」の復刻版)を出版しようとし、解放同盟が出版差し止めの訴訟を起こしました。横浜地裁(相模原支部)は出版禁止の仮処分決定を命じました。この決定に対して示現舎は不服として、地裁、高裁に仮処分決定を取り下げるように求めていました。

 解放同盟と示現舎の抗告を棄却。示現舎の主張は一切認められず。また、解放同盟の業務妨害も認めれないままの課題は残りました。

しかし、出版禁止の仮処分決定は正しかったとの結果は出ました。あとは本訴で争うことになりました。

 ★裁判所も、示現舎の主張を否定

 

①「復刻 全国部落調査」は部落史等の書籍とは違う!

同和問題に関する学術書や行政資料は、当該調査・研究等に必要な限りで、全国部落調査の該当部分を引用し、引用方法も、部落所在地及び部落名を含まない引用にとどめるなどの配慮がされているのに対し、

政府によって極めて悪質な差別文書であるとされた部落地名総鑑は、全国の同和地区の所在地等を網羅的、一覧的に記載したものであり、「復刻全国部落調査」や本件出版予定物も、部落地名総鑑と同様に、全国の同和地区の所在地等を、最新の地名も交えて網羅的、一覧的に記載したものである。」 

 

②差別に利用される恐れがある

「ひとたび本件出版予定物が出版等されたならば,部落地名総鑑と同様の利用がされることが予想され,そのために基本事件個人債権者らの人格権が侵害されるおそれが認められるのであるから,同債権者らは基本事件債務者に対して本件出版予定物の出版等の差止めを求めることができるというべきである。」

★「部落差別解消推進法」が適用!

そして、何より今回の東京高裁の判決では「部落差別解消推進法」の第1条が追加されました!これは「推進法」が部落差別撤廃の根拠法として明記された初めての判例となりました。

 

★今後の展開
仮処分は本裁判とは違って、高裁までで終わる「二審制」が原則となっています。ただ、抗告許可の申し立てと特別抗告を行えば、例外的に最高裁で審査されることがあるとのことで、示現舎は抗告しています。

また、ウエッブサイトの仮処分決定については、まだ判決が出ていないので、そちらの判決も注視しておく必要があります。

今後は、いよいよ本訴での闘いとなります。

9月25日(月)午後2時~、東京地裁で第6回口頭弁論があります。

その前日9月24日(日)13:00~、渋谷のLOFT9で反鳥取ループ裁判のイベントを行います。

私たちの部落問題vol.2 ―カミングアウトとアウティング― – LOFT PROJECT SCHEDULE

まだまだ、これからの闘い。
まずは、一歩前進したことを確認したいと思います。